- 2026年06月27日
- 税務
会計監査法違反に対する罰則に関する政令
カンボジア王国政府は、2026年5月25日付で会計監査法違反に対する罰則に関する政令第102号(Sub-Decree No. 102 SD.Es)を発出しました。
同政令は、会計監査法違反に対する具体的な違反行為及び罰金額を、罰則の賦課・管理に関する権限・措置・仕組みとともに定めるもので、2020年6月1日付暫定的罰則制度に関する政令第79号に置き換わるものです。
罰則の執行は、会計監査規制機関(ACAR)の管轄に属します。
適用対象
– 商業省及び/または税務総局に登録され、大規模納税者または中規模納税者に該当する監査対象・監査対象外企業、並びに、非営利組織
– カンボジア公認会計士・監査人協会の会員であり、ACARの会計または監査のライセンスを保有するすべての会計士・監査人
企業に対する違反行為及び罰金
同政令は、対象者の区分ごとに具体的な罰金額を定めています。監査対象企業(第6条)に対する主な罰金は以下のとおりです。
– 年次財務諸表のACARへの未提出:6,000万リエル
– 所定の条件に従わない年次財務諸表の提出:2,000万リエル
– 会計記録の不保持:1,000万リエル
– 不正確な会計記録の保持:500万リエル
– 適用される会計基準に準拠しない年次財務諸表の作成:1,000万リエル
– 年次財務情報の故意の虚偽報告:1,000万リエル
– ACARへの年次財務報告におけるリエル不使用・クメール語不使用:各200万リエル
監査対象外企業(第7条)については、年次財務諸表のACARへの未提出に対して5,000万リエルの罰金が科され、その他の違反行為についても同等またはより低い水準の罰金が定められています。
監査対象の非営利組織(第8条)及び監査対象外の非営利組織(第9条)については、それぞれ別個の罰金体系が定められています。
会計士・監査人に対する違反行為及び罰金
同政令は、会計士・監査人に対する罰金も定めています(第10条〜第13条)。
これには、専門職ライセンスの支払・更新遅延に対する日額罰金、独立監査報告書への署名・押印を怠った監査人に対する罰金(報告書1件につき1,000万リエル)、監査証拠を5年間保管しなかった場合の罰金(2,000万リエル)、マネーロンダリング・テロ資金供与・大量破壊兵器拡散資金供与に関する疑わしい取引の未報告に対する罰金(1件につき2,000万リエル)等が含まれます。
監査を通じた執行・段階的罰則
企業及び非営利組織に対する罰則は、監査を通じて段階的に賦課されます(第14条)。
ACARに年次財務諸表を提出している事業体については、第1回監査で違反が検出された場合、ACARは罰則を留保して是正勧告書(第1次)を発出するか、適用罰金の20%を科すことができます。その後、罰金は第2回監査で50%、第3回で80%、第4回で100%へと引き上げられます。
ACARに年次財務諸表を提出していない事業体については、第1回監査で適用罰金の30%(是正指示を伴う)が科され、第2回監査で50%、第3回で100%へと引き上げられます。
コンプライアンス監査は、年2回以上実施されることはありません。
罰金の不払い
罰金額は、違反者が30日以内に罰金を支払わない場合は2倍、60日を超えて支払わない場合は3倍となり、90日を超えて支払わない場合には、ACARは、企業の所有者の召喚、他の省庁への措置要請、または州裁判所検察官への告訴を含め、適用法令に従った措置を講じることができるとされていまう。
これらの期間は、違反者がACARから罰金通知を受領した日から起算されます。
不服申立権
罰則を科された者が当該決定に不服がある場合、通知の受領日から30日以内にACAR長官に不服を申し立てることができます。
ACAR長官の決定になおも不服がある場合、その決定の受領日から30日以内に非銀行金融サービス庁評議会議長である経済財務大臣に不服を申し立てることができ、更に経済財政大臣の決定に不服がある場合は、その決定の受領日から30日以内に管轄裁判所に提訴することができます。
発効日・経過措置
同政令に基づく罰則は、同政令発出日から6ヶ月後(一部の違反行為については、1年後)に発効します。