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2026年05月09日
その他
by Rachana Samsak Ratana Som 村上 暢昭

カンボジア上場企業向けESG開示要件の義務化

カンボジア経済財務省(MEF)は、2024年5月10日付で環境・社会・ガバナンス(ESG)開示に関する省令第034号を発出しました。24か月の移行期間を経て、同省令基づく開示要件は2026年5月10日より義務化され、カンボジア資本市場におけるESG報告義務の制度化に向けた重要な一歩となります。

適用対象
同省令は、カンボジア証券取引所(CSX)のメインボードに上場する企業(以下、「上場企業」)に適用されます。
現時点では、非上場企業に対する同等のESG開示義務は設けられていません。

主要な開示要件
上場企業は、同省令に定められた報告用テンプレートに従ってESG開示を行う必要があります。
開示の重点項目は、以下のとおりセクター毎に異なります。

証券セクター
コーポレートガバナンス、環境リスク、社会的リスクの開示が重点項目とされています。

銀行セクター
コーポレートガバナンスの開示が中心となります。
カンボジア・サステナブル・ファイナンス・イニシアチブ(CSFI)に参加する銀行・金融機関については、環境・社会面の開示も対象に含まれます。

インフラプロジェクト及び環境負荷の大きい事業
環境・天然資源に悪影響を及ぼす可能性のあるインフラプロジェクト及び事業については、環境的・社会的影響の開示が重点項目となります。
今後、気候変動に関する開示にも範囲が拡大することが見込まれています。

報告形式及び年次報告書への組込み
上場企業は、ESG開示を公にアクセス可能な形で行い、2027年の年次報告書に組み込む必要があります。当該年次報告書では、2026年の主要な活動、目標、及び指標がカバーされます。
上場企業は、必要に応じて、同省令表Bにおいて補足的開示を行うことが認められています。

国際的に認められた枠組みによる遵守
上場企業がIFRS S1(サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項)及びIFRS S2(気候関連開示)等の国際的に認められた枠組み・基準に基づくサステナビリティ報告書を作成・開示している場合、当該報告書は同省令で定められた報告用テンプレートに準拠したものとみなされます。
上場企業は、以下のいずれかの方法を選択することが可能です。
・当該サステナビリティ報告書の全文を年次報告書に添付する
・当該サステナビリティ報告書へのリンクを年次報告書中に明示する

実施スケジュール
– 2024年5月10日:MEFにより同省令発出
– 2026年5月10日:開示要件義務化
– 2026年:主要な活動・目標・指標を対象とする初回報告対象年度
– 2027年:義務的ESG開示を含む初回年次報告書の発行