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2023年10月06日
その他
by Ratana Som 村上 暢昭

投資法の施行に関する政令について

 カンボジアへの更なる投資の誘致・促進を目的として2021年10月15日に施行された新投資法を受け、2023年6月26日、同法の施行に関する政令が施行されました。

・同政令の概要
 同政令は、投資プロジェクトの登録・実施手続きの条件や流れ(第二章)、投資優遇措置の内容に関する詳細(第三章)、CDC(カンボジア開発評議会)及びMPISC(特別市・州投資小委員会)が投資家に対して提供する各種サービス(第四章)、投資プロジェクトの譲渡・合併手続き等(第五章)、投資プロジェクトの停止(第六章)をその主な内容としています。

・投資優遇措置の対象となりうる投資活動
 本政令では付属書1において、投資優遇措置を受けることができない投資活動が詳細に列挙されています。
この点、列挙されている投資活動の内のほとんどの投資活動については、投資額がそれぞれの投資活動ごとに定められた金額を超える等の一定の条件を満たす場合には、優遇措置の対象となりうるという例外規定が定められています。

・投資優遇措置の内容
 新投資法では、投資優遇措置の内容として①基本的優遇措置(内容については次項をご参照)、②追加優遇措置(生産資材の仕入れに関するVAT(付加価値税)の免除、研究開発・従業員の教育・福祉目的の費用についての150%の控除、労働者のための宿泊施設等の建設資材・建設機器の輸入税の免除)及び③国家の経済発展に貢献する可能性が高い分野・投資活動に対する特別優遇措置が設けられていましたが、本政令では更に、新車組立事業に対する投資優遇措置が設けられています。

・事業所得税減免の内容
 上記①基本的優遇措置は、事業所得税の減免(オプション1)または特別償却・特定費用についての控除(オプション2)、前払事業所得税・ミニマム税・輸出税・輸入税の免除をその内容としており、また、オプション1は以下のア及びイをその内容としています。
ア.最初に事業活動から収入を得た時点から、(投資活動の種類に応じて)3〜9年間の事業所得税の免除
イ.アの免税期間経過後6年間に渡る事業所得税の減額(最初の2年間は75%、次の2年間は50%、最後の2年間は25%の減税)

※新投資法における主な投資優遇措置の内容
■基本的優遇措置
・オプション1
 ア 事業所得税免税(3〜9年間、最初に収入を得た時点から)
 イ 免税期間後の減税(6年間)
 ウ 前払事業所得税免税(3〜9年間)
 エ ミニマム税免除(独立監査人からの監査報告書の提出が条件)
 オ 輸出税免除
・オプション2
 ア 税法が定める特別償却費の計上
 イ 特定費用についての最大200%の控除(3〜9年間)
 ウ 前払事業所得税免税(3〜9年間)
 エ ミニマム税免除(独立監査人からの監査報告書の提出が条件)
 オ 輸出税免除
・その他
 ・生産ラインに用いる建設資材、建設機器、生産設備の輸入税免税
 ・輸出志向型・裾野産業QIP(適格投資プロジェクト):生産ラインに用いる生産資材の輸入税免税
 ・国内志向型QIPの内付属書4に記載される投資活動:生産ラインに用いる生産資材の輸入税免税
 ・生産資材を直接輸出するまたは輸出志向型QIPに供給することができる、納税義務を果たしている国内志向型QIP:関税、特別税及びVATの還付を受ける、または、後日輸入される品物に課される関税、特別税及びVATの支払いのために留保される

■追加優遇措置
・QIPの実施に用いる国内生産された生産資材の仕入れに関するVATの免除
・研究開発、従業員に対する教育・福祉目的の費用についての150%の控除
・労働者のための宿泊施設等の建設資材・建設機器の輸入税免除