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2024年01月27日
労務
by Somnea Tann

カンボジアにおける時間外労働制度

 今回は、カンボジアにおける時間外労働制度について説明したいと思います。

1. カンボジアにおける時間外制度の概要
 カンボジア労働法には、通常の労働時間を超える労働、週休日における労働、国民の祝日における労働の3種類の時間外労働があります。
 なお、カンボジア労働法は、日本で認められているような変形労働時間制度や管理監督者に対する適用除外等の規定を置いていません。

■ 通常の労働時間を超える労働
 労働法第137条は、通常の労働時間は1日8時間または週48時間を超えてはならない旨規定しています。これに対し、1999年労働職業訓練省第80号は、通常とは異なる作業量や運営上の必要性がある場合に企業が労働者に対して時間外労働を求めることができるとしました。また、2015年労働職業訓練省通達第030号によると、通常の労働時間を超える労働は1日最大2時間に制限され、1日の総労働時間は10時間を超えてはならず、時間外労働を行うためには同省による事前の承認が必要であるとしています。

■ 週休日における労働
 労働法は、労働者に対して、週に24時間以上連続して休む権利を保証しています。これに対し、2002年労働職業訓練省令第100号は、月に最大2日まで週休日を停止し、週休日に労働を求めることを認めています(ただし、週休日の停止は2週連続してはならないとされています。)。
 週休日に関連し、2002年労働職業訓練省令第142号は、週休日を土曜日に伸ばすオプション、即ち、土曜日に4時間(半日)の週休を認める代わりに、月曜日から金曜日までの労働時間を9時間に伸ばすというオプションを認めています。この労働時間の調整を行うためは、労働組合、労働者代表または労働者の過半数(労働者代表が存在しない場合)の同意が必要となります。

■ 国民の祝日における労働
 労働者は、労働職業訓練省が毎年発行する省令が定める国民の祝日に休暇を取る権利を有しています。これに対し、1999年労働職業訓練省令第10号は、国民の祝日に事業を停止できない企業は、必要な場合、労働者と交渉してこれらの日に労働を求めることができるとしています。

なお、時間外労働に対する手当は以下の通りとされています。
・通常の労働日:通常の時給の150%
・夜間(午後10時~午前5時):通常の時給の200%
・週休日:通常の時給の200%
・国民の祝日:通常の時給の100%(+通常の給与)

2. 時間外労働の申請手続き
 時間外労働は労働者の自発的なものであり、かつ、労働監督官の監督の下、労働職業訓練省によって事前に承認を受けなければなりません。
 2021年1月11日以降、時間外労働(国民の祝日及び週休日の労働を含む)の申請は、新しいオンラインシステム(https://lacms.mlvt.gov.kh)を通じてこれを提出することができます。公共サービス料金として1件あたり100,000リエル(約25米ドル)が必要とされており、申請は時間外労働日の7営業日以上前に提出する必要があります。

 時間外労働を申請する企業は以下情報及び資料を提供する必要があります。
・時間外労働申請の理由
・時間外労働日
・時間外労働を求める労働者数
・従業員代表または(従業員代表がいない場合は)労働者の過半数の同意を記載した書面

 企業は、申請に含まれる情報が正確である場合、7営業日以内に承認書を受け取ることができます。

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 時間外労働の申請手続きのご依頼や時間外労働制度の詳細に関するお問い合わせにつきましては、お問合せフォームよりお願いいたします。