News ニュース

2026年06月03日
その他
by Rachana Samsak Ratana Som

新兵役法

カンボジアの新「兵役法(Law on Military Duty)」は、2026年5月23日、フン・セン暫定国家元首の署名による王令(Royal Code)により公布され、翌24日に施行されました。
新法は、2006年に公布されたものの一度も施行されなかった旧「兵役法」を置き換えるものであり、改正された憲法第49条に基づいて起草された全8章20条の構成となっています。
同法は本来的には国防に関する法律ですが、カンボジアで事業を行う企業にとって、人事計画及び労働力管理の観点から実務上の影響があります。

背景
2006年12月22日付の旧「兵役法」は6章18条で構成され、18歳から30歳までのカンボジア国民に18か月間の兵役を義務付けていました。しかし、財政的制約及び他の国家的優先事項により、同法は一度も施行されませんでした。
2025年、王国政府は2026年から兵役を施行する方針を発表し、新法案は2026年4月23日に閣僚会議で承認、2026年5月12日に国民議会で全会一致により可決、2026年5月20日に上院で承認され、同年5月23日に公布されました。

適用対象
新法の下、18歳〜25歳のカンボジア人男性は24か月間の兵役を履行する義務を負います。他方、女性の兵役は任意です。
特筆すべき点として、本法はカンボジアに居住する二重国籍者にも適用されます。
王国政府は最大6ヶ月の期間延長を行う裁量を有します。対象者は、兵役完了後45歳までの間、予備役となります。
新法は、王国政府が「需要ベースの徴兵制」と説明する制度を採用しており、シンガポール及びフィンランド等の制度が参照されています。王国政府は、各期間における召集人数を決定する裁量を保持しています。

免除
本法では、以下の者が兵役を免除されます。
– 宗教省の承認を得た仏教僧侶及び他の宗教の聖職者
– 保健委員会の検査により、所要の身体基準を満たさないと確認された者
– 科学・技術・イノベーション分野において特別な能力又は才能を有し、所管省庁の証明を受けた者
– 研究任務の遂行又はカンボジア王国軍の公益業務のための協力協定を締結した専門家で、従事期間が兵役期間と同一の者
– 現行法令に従い契約軍人としての服務を終えた者

延期
兵役義務の履行に選抜された者は、1年ごとに延期を申請することができます(第7条)。
ただし、延期を申請できる者は、就学中の学生、移住労働者、及び国外で任務に従事する公務員に限られ、延期の累計は4回(4年)を上限とします(政令第176号第11条)。

出頭義務及び忌避に対する罰則
兵役の召集を受けた者は、召集令状の受領後30日以内に出頭する必要があり、正当な理由なくこれを怠った場合、徴兵忌避者とみなされます。
忌避に対する罰則は、国家の状況に応じて以下のとおり区別されます。
– 平時:6ヶ月から2年の禁錮刑及び100万リエルから400万リエル(約250米ドルから1,000米ドル)の罰金
– 戦時または外国の攻撃下:2年から5年の禁錮刑及び100万リエルから400万リエル(約1,000米ドルから2,500米ドル)の罰金

施行
本法の施行に関し、延期申請の資格等を定める政令第176号が発出されています。
召集・登録・選考等の運用手続の詳細については、今後の運用を注視する必要があります。